W o r k s h o p



かんらまち 甘楽町は群馬県の南西部に位置する小さな町です。東京と軽井沢・長野を結ぶ高速上信越道が町の中心を通っているので、通過したことがある方も多いと思います。上信越道の吉井インターと富岡インターの真ん中をちょっと過ぎたあたり、高速道の南の丘に工房があります。
工房は今は使われなくなった、お蚕の共同飼育所です。テーブルや椅子の打ち合わせは、ここで材料を見ながら行うことが多いのです。


手作り 手作りにこだわる訳ではありません。手作りになってしまうのです。
甘楽木工房の家具は、ほとんどがオーダー製作です。同じ物を一度にたくさん作るには、高度な機械化が欠かせません。でも個性の強い無垢材を使って、サイズやデザインの違うものを一点一点つくるとなると、手作りのほうが向いている場合が多いのです。もちろん機械でできることまで、手で行なう必要はありません。


デザイン ムク材の家具は、そう簡単に壊れるものではなく、長く幾世代にも渡って使いつづけることができます。ただ買った時は気に入ったデザインでも、時を経ると古臭い感じになってしまう事はよくあります。先ずデザインに飽きてしまうのです。
シンブルで完成度の高いデザインとは何かを追求しています。また建築家と仕事をする事も多いので、家具と建物とのマッチングも大切だと考えています。

価格 誰が買うんだろうというような値札のついた家具を、時々見かけます。手作りだから、ムク材だからと言っても、そんなに高いのはどうして?と考えてしまいます。
制作直売方式にして中間の流通を省いたり、製品在庫をなるべく持たないとか、材料を原木で安く仕入れる事などで、価格もずいぶん違ってくると思います。

材料 材料にはこだわっています。
基本的には、国産の原木を丸太で仕入れて、製材後天然乾燥して使います。気に入った材料を、比較的安く仕入れることができるからです。群馬県内には月に3〜4回開かれる原木市場があって、様々な木が県内から集まってきます。すべて合法的に伐採された、産地が特定できる木です。クルミ、サクラ、クリ、トチといった木が多いのですが、手持ちのストックに無いものでも、注文に応じて仕入れることができます。

乾燥 製材した板材は桟積みをして、数年間自然乾燥します。「からっ風」の群馬ですから乾燥は早い方だと思います。木は種類や板厚によって乾く時間にだいぶ開きがあるので、使う前に必ず含水率計でチェックをしています。県産材にない樹種は人工乾燥材を仕入れて使う事もあります。

オーダー 工房で、もしくはお客様宅へ伺って打ち合わせをします。遠方の場合はメールや電話、ファックスなどで行なっています。作るもののアウトラインが見えれば、まず最初に見積もりをして、それから設計、制作、納品となります。納品まで通常2〜3ヶ月みていただいてますが、お急ぎの場合はご相談下さい。
県内と近県の納品は僕がうかがいます。ただ遠方の場合は「家財宅急便」などを使って、搬入までお願いしています。
 

西川 浩
滋賀県に生まれる
多摩美術大学卒業
美術造形物の製作会社を退職後、品川職業専門校木工科入校
品川職業専門校卒業のあと神奈川県内の工房において家具製作に従事する
1994年 甘楽木工房を設立 注文家具の製作を始める

1992年 高岡クラフトコンペ入選
2002年「木の椅子展」入選 東京新宿オゾン他
2004年 くらし群馬ユニット展 高崎シティーギャラリー
2011年「旭川家具デザインコンペティション」 スツールinoが入選
2014年「佐久市・読書のための椅子展」 シングルソファが準グランプリ